セラミックフライパンは買うべきか
「セラミックとフッソ加工はどちらがいいんですか?」とよく聞かれます。
セラミックのフライパンってどんなフライパン?
商品名に「セラ」という名前がついているものは、ほとんどセラミックのコーティングがされていると考えていいでしょう。
なぜセラミックフライパンが登場したのか
なぜでてきたのでしょうか。
②フッソ加工の耐久性の悪さ(耐熱温度の低さも含め)
フッソ加工には高温になると有害物質が出たり、環境汚染、健康被害なども指摘されています。欧米では早い時期からすでに規制がありますが今のところ日本では自主規制です(2019年に条約で国際的な一定の規制が示されました)またフッ素加工は高温になると有害物質がでますが、温度を守っていれば問題ないというのが日本のメーカーの一般的な考え方です。
フッソ加工の素材の一部は自然界に存在しないもので、なんらかの形で人の体内や地球に残ると捉えられています。
耐久性の問題も大きいです。フッソ加工はこの温度変化そのものが苦手で、260℃以上の高温も苦手なのです。変な話ですが万能ではない素材なのです。すぐに温度が上がって便利だけれど、すぐに高温すると劣化するという。
フッソ加工の安全性と耐久性について疑問視されてきたため、セラミックが代替素材としてでてきたと私は考えています。
セラミックフライパンの長所は?
セラミックフライパンの長所は、フッソ加工に比べて安全な素材であることと、そして耐食性も強く、高温にも強いことです。
アルミだけのフライパンは酸に弱い。またフッソ加工は素材を入れっぱなしにしておくと、汚れが染み入り焦げ付きやすくなる。その点、セラミックは入れっぱなしはよいとされています。
またセラミックフライパンの耐熱温度は400℃以上です。フッソ加工の240℃~260℃表記に比べればかなり高いです。万が一、超高温調理してしまった場合、フッソ加工はすぐに劣化しますが、セラミックの場合はほとんどセーフです。
現在の新型ガスコンロにはSiセンサーが義務付けられていて、高温にはならない仕組みですが、フッソ加工は高温より高温だけでなく急激な温度変化の繰り返しに特に弱いのです。その点はセラミックのほうが強いでしょう。
ではセラミックの短所は?
メーカーは「セラミックはくっつかない」というのをさかんに謳っていますが、そうとも言い切れません。使うとだんだんくっつきやすくなります。使い始め、あるいは使って数か月は焦げ付きくいのはフッソ加工と同じですが、最後は焦げ癖ができて焦げ付きます。つまりは使い捨てです。セラミックの表面加工は必ず劣化します。
セラミックフライパンは手入れが簡単というのは、最初だけです。(と感じています。)
少し程度の良いセラミックだと数年持ちますが、良いフッソ加工も数年持つものもあり、セラミックだけ手入れが簡単ということありません。
私が数年定期的にテストで使っているセラミックもだんだん汚れて焦げ癖が付いてきました。表面がもう白くはありません。
安い価格帯のセラミックフライパンだど、傷がつきやすいのもセラミックの特徴です。(良いものはこの限りではありません)
つまり、セラミックといえど、10年なんてきれいに使えるわけでなく、やはり油を使ったほうが耐久性がよいわけです。中火以下で使い、汚れをこまめにきれいにすれば、汚れがつきにくいものもあるのでしょうが、CMのようにいつまでもツルツルと素材がすべるわけではありません。
結論、セラミックフライパンは買うべきか?
セラミックフライパンは買うべきか?についてですが、フッソ加工の安全性が何より心配だという方は、セラミックのフライパンはおすすめです。
私が考えるに、使いやすさや耐久性だけで考えるとセラミックはまだまだです。
フッソ加工やセラミックのフライパンの買い替えがいやだという方は、この機会にぜひ鉄のフライパンを並行して使ってみてはどうでしょう。私はプライベートではプレミアムなフッソ加工フライパンと鉄のフライパンの数種をもっており、料理で使い分けています。高温にならないパスタなどはフッソ加工、炒め物は薄手の鉄、焼き物などは厚手の鉄といった具合です。
少なくとも、安全性が確保できないフッソ加工(つまりどこのフッソ加工かわからないもの)は私はおすすめできません。それならセラミックのほうがいいかなと。
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追記:
商品開発は日進月歩で、私も把握できていなことがいっぱいあると思いますのでご了承ください。PFOAに関しては近年国際的に規制が始まりました。日本でもはっきりすると思います。