フッソ加工フライパンの疑問

●インスタグラムでは台所道具について毎日発信。毎週月曜夜9時に台所道具使い方などを生配信。こちら

フッソ加工フライパンの問題点は

①すぐにくっつきやすくなるし、コーティングが剥げる

②どれを使っても焦げやすくて火が通らない

③フッソ加工はあんまり体に良くないとか聞く

④値段の違いがよくわからない

⑤セラミックのほうがいいのかな?鉄はどうなのか

 

このフッソ加工の問題について、ざっくりと考え方と解決方法を説明します↓

すぐにくっつきやすくなる、コーティングが剥げる問題

フッソ加工は、高温調理(260度以上)以上で使用するとくっつきやすくなり、温度変化が激しくてもくっつきやすくなります。温度変化とは、余熱でいきなり強火にしたり、逆に強火で調理したあとすぐに水につけたりすることです。IHはすぐに温度が上がるので特に注意が必要です。ガスコンロでもIHでも、余熱の時に中火以下にするといくぶん劣化を抑えることができます。
フッソ加工のフライパンの厚みが厚いほど温度変化に強く、上等なコーティングが施されている傾向にあります。価格に反映してきて高くはなります。

どれを使っても焦げやすくて火が通らない問題

フライパンの基板はアルミがほとんどです。アルミは強火にすると温度が上がり、弱めるとすぐに温度が落ちます。そのため薄くて軽いフッソ加工フライパンは、中が焼ける前に表面だけ焦がしてしまいます。これはフッソ加工が悪いからではなく、アルミやステンレスなどが薄いからです。

解決方法としては、きっちり閉まる専用の蓋を揃えて弱火の蒸気で火を通すか、やや重みがあり板厚があるフッソ加工フライパンを選ぶか、あるいは焼くときには厚みのある鉄のフライパンにするか。鉄板焼きのカウンターをみてもわかるように、厚みのある鉄は蓋をしなくても中に火が通りますよね。これが鉄の凄さ。高級なフッソ加工は鉄を良さを追いかけているわけです。

フッソ加工はあんまり体に良くないとか問題

「フッソ加工は、万が一剥がれて食べてしまっても、ほかの物質と溶け合わず、化学反応も起こさず安全で、そのまま体外に排出される。」と言われています。しかし問題はそこではありません。高温(400度以上)で加熱すると、猛毒のフッ化水素ガスが出ることが問題のようです。世界中のさまざまな機関では、フッソ加工の危険については研究がなされていて、すでに多くの国で早くから規制が始まっています(日本はまだです)。高温でなくてもなんらかの害を免れないという研究結果も多いのです。もちろん「低温なら無害」というメーカーも数多くあります。

有害物質であるPFOAのゼロにしたフライパンをキッチンパラダイスが販売するのも、そのような理由からです。世の中にセラミックフライパンがでてきたのも、フッソ加工の安全性が問われ始めたからだと思います。いまのところ厚生省からのアナウンスはありませんが。

値段の違いがよくわからない問題

なぜ価格が高いのと安いのがあるかというと、単にブランド代だけではありません。

板厚が厚くなり焦げにくくなり、ランクの高いコーティングで耐久性を上げ、もっと熱まわりがよいようにダイヤンモントコーティングやチタンコーティングなどの工夫がなされ、さらにPFOAゼロにするなど安全性を考慮すると、だんだん価格が高くなってくるのです。IH仕様になっても価格があがります。
もちろんブランド名やデザインでも価格が上がりますよ。ムダに高いのも存在します。

セラミックのほうがいいのかな?鉄はどうなのかな問題

セラミックは、10年前よりずいぶん耐久性がよくなりました。フッソ加工に比べて安全性は高いです。でもまだ万能ではありません。フッソ加工のように油をひかなくていいいわけではないですし、焦げグゼも多少あります。発展途上ながら、安全性を考えると選ぶ方も多いでしょう。

 

鉄は能力が高く一生もの。厚めの板厚の鉄は焼き物にぴったりで焦げにくく、薄い板厚の鉄は炒め物などによいと思います。どの厚みを買うかによって焦げ方や火の通りが全く違うので気をつけてください。
フッソ加工を手放せない方でも鉄のフライパンと併用すると、フッソ加工も長持ちしますのでご参考までに。