色鮮やかなジャムの作り方

色が悪くておいしくないジャム

先日、あるお店でりんごジャムを買ってきました。

ジャムの色が悪いのが気になるけど、小さいのに800円以上するのできっとおいしいに違いないと。

結果は….

ぜんぜんおいしくない!!

こんだけ高いからそんなことはないだどうと、もう一度口に入れてみて舌の上で味わってみると。

あ~わかりました。

リンゴそのものがおいしくないというより、変な苦みが混じる。色の黒っぽさも関係しているのかもしれません。がっかり。

ジャムの色が悪い理由

私が作った感触と、専門書や論文系を読み漁った結果、色が良くないジャムは必ず理由があると考えていmす。

①クエン酸(レモン汁)を入れてない

②砂糖が少ない

③煮る時間が長い

④アルミ鍋を使っている

もちろん、レモン汁を入れなくても短時間で仕上げればきれいに仕上がるときもありますし、
砂糖が少なくても色素が残りやすい果物なら比較的色よく仕上がるものもあります。

道具屋としての考察

ここからはクエン酸と砂糖、素材に関することは別にして「煮る鍋」から考えてみます。

①銅鍋

ジャム専門店が好んで使っているのがジャム用銅鍋です。ジャム用は内側の錫引きがないものが原則。錫が高温に弱いという理由もありますが、果物が直接触れることで銅イオン効果を高め、色鮮やかに、艶よく仕上げるためです。(ただし、果物すべてが銅イオンで色があざやかになるという論文は見つけてはいません)

底が丸い銅ボウルで煮る方もいますよ。これは、ジャムに粘度がでて底に留まるので注意が必要です。ボウルにいっぱいいっぱい果物を入れて「銅だから大丈夫」というのはありません。短時間でまんべんなく熱が入る工夫をしてください。銅でも長時間煮ると黒く仕上がることがあります。

②厚手琺瑯鍋

一般的によく勧められる鍋です。ルクルーゼやストウブ、シャスールなどですね。よいと思います。バーミキュラも悪くないのですが、鍋底が波打っているのでプロ用としてはちょっと向いてない感はあります(混ざるときに溝に残るから)
温度さえ上がれば短時間で果実全体に熱が渡り、焦げにくいです。だだ鍋が大きすぎると温まるのに相当な時間がかかるので、これが「銅鍋」のほうが優れている点でしょうか。

③ステンレス鍋

ステンレス多層鍋に限定します。というのは、単層鍋は全く向いてないからです。単層は熱伝導が遅いので焦げます。
ステンレス多層鍋なら全面多層鍋をお勧めします。内側にアルミ層があるので熱が伝わりやすいです。琺瑯や銅ほど全体に熱を通さないので、かき混ぜたりする回数が増えるでしょう。ステンレスは長時間は酸に弱いので、煮る時間が長くなるものや酸味が高いものはホントは向いてないという専門家も多いです。同じ多層鍋でも薄い鍋や、たくさんの量を作るとうまくいかないこともあります。

④アルミ鍋

アルミ鍋はジャムには向いていません。私が買ったジャムはひょっとしてアルミで長時間煮たのではないかと疑っています。酸が多いと、アルミと反応して色が黒くなることが多々あります。作った後いれっぱなしにしてもよくありません。アルマイトで被膜は作ってますが、長く使っている鍋は剥げることもあります。
文化鍋でジャムを作っていると雑誌で書いていた料理家さんもいて、ちょっと残念でした。

ジャムを色よく作る最低条件

クエン酸や砂糖と果物の混ざり具合はそれぞれ研究してください。先に砂糖をまぶしたり二度煮する先生もいますね。

あとは、効率よく短時間で仕上げる方法と、そうできる鍋を選ぶことが必須です。
熱いうちに瓶に詰めるのも覚えておいてくださいね。

◆キッチンパダイスではオリジナルジャム鍋を販売しています。常に予約待ちですので、ご希望の方はお早めにどうぞ。