「やりたいことがない」というきみへ

やりたいことがない

高校生になると親や学校から「将来何になりたいの?」と何度聞かれるか分かりません。私立なら中学生から枝分かれが始まるので、娘は中3でおおまかな希望大学と学科まで考えるようにといわれていました。娘は本好きで数学嫌いだったのですぐに決められましたが、娘の友人らは決められない子ばかりのようでした。そりゃそうです。みんながみんな羽生結弦やジャニーズじゃないんだから、そうそうやりたいことが見つかるわけありません。

林修先生の高学歴ニートさんたちへの講義

そんな中、林先生のある講義が人気を呼びました。相手は高学歴ニートたち。有名大学をでたものの「やりたいこと」が見つからず、ニートをしているというほぼ20代。働いていないとはいえ、さすが高学歴っぽいというか、まぁ理屈っぽい人たちのようでした。

林先生は、東大卒業後いくつかの仕事をしたあと塾講師として「今でしょ」でブレイクした頃、ある編集者から執筆依頼がきたそうです。頼まれたのは自分が書きたい分野とは全く違う「自己啓発本」。本は、書けば売れ書けば売れ、累計100万部越えとなりました。その功績により林先生担当のフリー編集者は大手出版社に就職。ご両親に大変喜ばれたそうです。

そこで次に、先生は本当に書きたかった本を執筆させてもらうことになりました。

林先生の著書「すし・うなぎ・てんぷら」

先生がこれまで唯一自ら提案して執筆した本が「すし・うなぎ・天ぷら」です。先生の好きな店を紹介し、雑学を掘り下げる内容でした。

結果は散々で、本ははじめて増版しませんでした。やりたかったことは、あえなく失敗に終わってしまったということです。先生はこれを「失敗の実験」と名付けていました。

やりたいこと、できることのベクトル

やりたいことととできることが同じなら嬉しいけれど、だいたいはズレがある方がおおいんじゃないですか。

できることは求められていること。やればやるほど林先生のようにまわりの役にたっていくかもしれない。自分で飛び込んで重ねていけること。

やりたいことは、偶然に近い。羽生くんは喘息を克服するために始めたし、キムタクだっておばさんがジャニーズに応募したんじゃなかったけしたっけ。強い意志をもつようになったのはちょっとした偶然のようなものです。

若い人たちが「やりたいことがないない」と見回してもすぐには転がっていないのです。だからすぐに楽に大金を得られそうなユーチュバーとか(絶対楽じゃないと思うけど)華やかなモデル、おいしいお菓子が好きだからパティシエなんていうのが多くなります。もちろんそれでもいいんですけど。それが本気なら。

最初からやりたいことしかが見つからないとどうしても立ち止まってしまいますが、実はできることは自分で積み重ねていける。だから、若い時にただ過ぎる時間を待つのはもったいないということでしょう。

あなたのできること

できることというのは、あなたが求められていることです。それをやれば効率よく身近な人の役にたつ、家族の役に立つ、ひいては社会の役に立つことでもあります。

できることの経験からやりたいことが見つかっていくこともあります。それが多いんじゃないでようか。できることから始めると、やりたいことがやれるかという手ごたえもわかってきます。

私も、「私が役に立つことはなんだろう」といつも考えながら迷いながら働いています。それが道具を伝えていくことであり、インスタライブやセミナー、このようにブログを書き続ける理由です。

ではやりたいことはなんだろう?そう考えると実は今でもちょっと頭をひねります。求められることをやってきたので、答えがあるかどうかも分かりません。

でもねー、何でもいいよって言われたら….。

そうだ!好きな本のことを延々としゃべるしごと。そんなしごとないかな。