なぜ専業主婦はすばらしいのか

料理は女性がするものか?

私は料理関連のことを仕事にしているからか、「料理は女性、って決めつけられているが気にいらない」と働くママの友人に言われたことがあります。

そのお気持ちはわかります。特に、夫婦で同じように働いていると「なぜ自分ばかりが料理を担当しなくてはいけないか」と不公平を感じるのはごもっとも。若い世代では家事の配分がうまくいっているご夫婦が増えていますが、私たちの世代、あるいはもっと下の40代くらい、さらに地方のほうがその不公平感が高いように感じます。

外で働く理由

今は結婚して子供がいても、働く人が断然増えてきました。そりゃそうです。よほどお金の心配しなくていい方なら別ですが、この20年以上、家庭の負担は増えているのに、給与は上がらない。塾代もかかるし、携帯代も家族分かかる。ふつうは働かないとやっていけないはずです。

古い考えでは「子供を預けて働くなんてかわいそう」とか「自分を優先している」いうことがありますが、もはや働かないとやっていけない家庭がほどんどになってしまいました。

そうでなくても、ここまで男女同じように勉強勉強と教育しておいて、ある時から「あなたは子供産みましたからここまでです」とキャリアが止まるのはとても不公平感があります。社会の構造すべてが古いおじいさんたちの手によって決められているからではないですかと言いたくなります。子供を産んだ直後でも、自分のキャリアを止めないよう日夜努力をする若い知り合いもいて、ほんと感心します。

余談になりますが、安倍政権および安倍さんの保守派は、実は家長制度を重んじていたのは発言からわかりますね。夫婦別姓も進まないですしね。男女における社会構造としては、世界的にみるととても古いタイプでしたので、これから少し変わるのかな。政権批判ではないので。

構造上の逆境にめげず、キャリアの階段を上る働くママさんには(もちろんママでなくてもまだまだ逆境ですが)ほんとにエールを送りたいです。

専業主婦ってすごいこと

まず、結論からいうと、私にとっては専業主婦だろうが外で働いていようが、どちらでも構わないと思います。

私の友人には有名大学を出て一流メーカーの広告部門で華々しい20代を過ごし(結婚式には芸能人きてた!)、子供を産もうとしてなかなかできずらかった経験をした子がいます。何度も流産して、最後は流産防止の注射器を会社のトイレで打ちながら、ようやく授かったのです。入院を繰り返してようやく子供を迎え、産休の1年が終わるころ、彼女は会社を退職することを決めました。

華々しいキャリアを手放してでも、こんなに苦労して産んだ子供と一緒にいたいという気持ち、理解できます。
一緒にいることが母親らしいと言っているわけではありません。彼女はそうだったということ。
半分の収入が無くなったので、これまでみたいに高価な洋服は買えないでしょう。旅行もいつもは行けないでしょう。それでも喜んで彼女は選んだのです。まったく後悔はしていないと思います。その後、大きくなった娘さんは海外に留学し、友人は近くのパン屋で第二の人生を楽しくスタートしているようです。

一般的には専業主婦になる理由はいろいろ。

・働くことより家庭の仕事が好き、あるいは向いていると思う場合、

・子供の預け先や条件が整わない場合や、夫婦どちらかが家にいないとなりたたない場合、

・キャリアの不平等に悩んだあげく専業主婦を選ぶ場合、

・体の不調

・なんとなくのプレッシャー

それと、専業主婦が子供にいいに決まっているという主義も。

子育てや家族のお世話をすることを仕事にするって、究極に利他的なことだと思うんですよね。
それを押し付けられるわけでなく自ら選ぶという人には、尊敬しかありません。

ラクしたいから専業主婦になった方のことは知りませんよ。笑)

料理は母親、ではない。

最初の質問にに戻ります。

私は、料理は女性がするものと思って台所道具を売っているわけではありません。

私の場合は、結婚しても料理はわたしひとりでやっていました。共働きでしたが、料理をすることに違和感はありませんでした。それは、古い世代とか、役割分担とかでなく、単純に私がやりたかったというだけです。

娘と一緒にいる時間が少なかったから、かける時間の代わりの心をおきどころが短い時間でも台所にたつことだった。

料理は母親がすべきものと思っているわけではなく、私が心をこめたかったのが料理だった、それだけです。

ほら、男の子は昔から運動が好きで、女の子はままごとが好きな場合が多いですよね。私もお人形を世話するのが好きでした。キャリアも必要だし、仕事もしたいけど、ホントは家族のお世話もはしたいんです

多様性

私はさまざまな理由で専業主婦にはなりませんでしたが、専業主婦として子供を楽しく育ているのをみると羨ましくなることもあります。環境が許されるなら、楽しく専業になってもいいと思っています。

だからね、主婦だから社会から取り残されたなんて思う必要はないんです。人それぞれ。多様です。他人と比べなくていい時代です。

いまの子供にあなたは安心感であり、あなたが楽しんで料理をすることは必ず伝わります。
自分のことを置いてでも、家族へ費やす時間を選択したということに、私は尊敬します。
働いている人が偉いわけではないと、私は思います。

 

◎追記です。逆もしかりで、働いていることもすごいです。それはよくよくわかっており、あの頃を考えるとよくやったと自分をほめてやりたいです(うちは娘の自立が早く、比較的助かりましたが)