上司の育て方

部下を育てる本、コーチングの本などは星の数ほど出ていますが、上司を育てる本っていうのはあまり聞きません。確かにキャリアとしては上が下を育てるのかもしれませんが、人間的にいえば、私はこれまでずっとずっと部下に育てられてきました。部下という仲間に近いけれど。

私はスタッフから言われて忘れられない言葉があります。長年勤めてくれているスタッフから
「家族から仕事楽しそうやねーっていつも言われます。ホントです。雇っていただいてありがとうございます。」と。

ちょうど何をやってもうまくいかず、自分には経営者としての資質がないと思っていたのに、逆にお礼を言われたのです。申し訳ないという気持ち半分、あと半分はやる気がふつふつと湧き上がってきました。店を存続させていくにはどうしたらよいか落ち込まずに前をむくようになり、改めてまわりに感謝したい気持ちになりました。

いまは新型肺炎拡散予防のため実店舗は臨時休業中ですが、スタッフがアイデアを出してくれ、またすごいスピードでオンラインの仕事をしてくれています。

これまでも歴代のスタッフたちも含めて私はそうやってずいぶん育てられてきました。
私がため息をつくと、黙って飲み物をだしてくれたり、仕事を代わってくれたり、何より忙しい時にも笑いかけてくれます。逆に私が熱中してるときは全く声をかけてきません。私はスタッフにずっとしょーもないことをしゃべりかけて邪魔しているのに。笑)
こんなできない上司に「いやいや、田中さんはついてます。できますよ。」とのせてくれます。
挙句の果てに「田中さんほど運がいい人いないです。」と持ち上げてくれる。先日は「田中さんは何があっても先祖に守られてます。」と占い師ばり。上司を持ち上げるのにおどろくほど長けてます。

上司が部下を育てるばかりではなく、ほんとは部下が上司を育ててるんじゃないですか。そしてようやく上司は上司としての責任感をもちはじめていく。キッチンパラダイスはそんな感じです。

意見や文句ばかりでなく、褒めて労ってあげたらどうでしょう。上司を育てるつもりで。
親子、夫婦も同じように。