無駄なキッチングッズは○○である

キッチングッズはもう飽和状態ですよね。ありとあらゆるものが商品化されていて、全く新しいものを生み出すのは至難の業。たとえヒットしたとしても長続きしないというのが現状です。たまには長く売れるものがありますがとても稀です。
20年も台所用品店をやっていると、ヒットするかどうかは見た瞬間に分かりますが、ちょっと考えると、売れても長続きしないものもわかります。

流行るキッチングッズ

以前はテレビと雑誌で紹介すればすぐに話題になりましたが、現在はフォロワーが多いインスタグラマーなどがオススメするとすぐに流行ります。インフルエンサーですね。その方々が、「すごい便利」「めちゃくちゃ時短」「おしゃれ」とか言われると、みんなたちまちほしくなるのです。っていっても、そこには広告費が支払われていることも多いんですけどね。

これまで流行ったものをいくつか例に出してみると

ルクエのシリコンスチーマー

売れましたねー。これこそ便利、時短、おしゃれです。軽くてカラフルなカラーが選べるのもよかったのかもしれません。レシピ本もいくつもでました、これは、人気の料理研究家が広めてくれたのが売れた理由です。レシピをだしてもらうという戦略がうまかったと思います。

マーナの豚の落とし蓋

むかしは落とし蓋は「木」でしたが、熱に強いシリコンになり、軽くなったのがよかったのでしょう。豚の鼻に菜箸をさして持ち上げるという、面白便利さがうけてなかなか長く期間売れています。

ニトリのスキレット

大ブームになって「ニトスキ」という言葉も生みました。中国製の鉄のフライパンです。鉄で焼くと美味しいということでしょうが、一番の理由は「映え」だと思います。作ったら食卓に熱いまま出すことが出来て、カフェみたいっていう点です。それと価格。500円くらいから買えるなんて、もう破格もいいととこ。

売れるものはそれぞれ理由がありますが、これらのキッチングッズの中で売れ続けるのはどれくらいあるのでしょうか。

売れ続けない理由は?

どんな流行ってもしばらくすると売れなくなります。売れなくなるというのは、つまり、買っても家でも使わなくなる人が増えているのです。その理由を考えてみます。

ルクエのシリコンスチーマー

確かに便利、時短、おしゃれ、軽くてカラフルでしたが、シリコンなので匂いが取れなくなります。時短のつもりでも匂いを取るのに、酢水につけたり、牛乳に浸けたり、お湯で沸かしたりして結局時間がかかるのです。また必ず変色します。変色するとかわいさは半減。しかも軽くて割れませんが、そのかわり刃物などに触れると破れるのです。
それに、作った瞬間から冷めてきます。オーブン皿だとアツアツで食べらるのに。
7~8年前に買った友人らはみんな使わなくなりました。レンジグッズとして使うならジップロックでいいと気が付いたのです。

マーナの豚の落とし蓋

もちろん今でも多少は売れているとおもいますが、全く前ほどではありません。これも変色です。白に落とし蓋はあれよあれよと茶色く汚くなってしまいます。こんな汚くなるなら、クッキングペーパーでもういいかも?と思ってしまう人が多いのです。また料理好きなら、適度な重みがあって熱くなっても手で触れられる木のおとし蓋に戻っていくのです。

ニトリのスキレット

便利で華やかなニトスキですが、大ブームもさり買う人が少なくました。とはいえ、これに関しては悪くない商品だったはずです。中国製というちょっと心配な点はあるにせよ、鉄の蓄熱性は間違いなくおいしくパリッと焼きあがると思います。
「映え」に興味があってニトスキを買ったものの、鉄の使い方を全く知らない方が使わなくなってしまいました。おそらく多くのニトスキが錆びたと思います。そして安いから簡単に捨ててしまうのです。ニトスキが5000円なら使い方を検索して大切においしく使い続けたでしょう。

結論:無駄なキッチングッズは○○である

飛びついて買ったのに捨ててしまったキッチングッズ、みなさんにひとつやふたつあるでしょう。それはどんなものでしたか。

それって、便利グッズじゃありませんか?

5000円のシリコンスチーマーを何度も買い替えて使いませんよね?落とし蓋はどうですか?
ニトスキは使い方を知ってから買わないと、流行りで買うと使わなくなりませんか。

「便利」と「流行り」では飛びつかないほうが無難です。

ちゃんとおいしくなる道具か(美味しさを損なわないか)、よい道具を買う場合は取扱い方をきちんとわかっているか、そして飽きないデザインかどうか。そういう点をちょっとだけ考えてみてください。便利の後ろには、意外とめんどうなことが隠れている場合がとても多いのです。

無駄なキッチングッズは、流行りの便利アイテムの場合が多いというのが、私の結論です。

もちろんいいものもあります。今度はいつか長く売れ続ける商品も書きたいと思います。