ガラスに熱湯かけちゃってもいい?
常備菜の特集雑誌で料理研究家さんが「素材を詰める前にガラスの容器には熱湯をかけて完全に殺菌しましょう。」と書いていましたが、残念ながらそれはまちがいです。というより半分間違いなのです。
ではなぜだめなのか、どうすれば完全に殺菌できるのかを説明しましょう。
ガラスの保存容器は2種類
ガラスの保存容器にはざっくり2種類あります。
ソーダガラスと耐熱ガラスです。
ソーダガラスが一般的なのでよく出回っています。最近流行のメイソンジャーもイチゴのマークのWECKもこれ。ジャムや佃煮がはいっているようなのもこれです。
ソーダガラスの表記をみてみます。
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◆メイソンジャー
素材:本体/ソーダガラス フタ/ブリキ
生産国:アメリカ
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◆WECK
素材:ガラス
耐熱温度:-20~100度
耐熱温度差:80度
生産国:ドイツ
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耐熱ガラスの表記をみてみます。
耐熱ガラスは、IWAKIやHARIOなどが販売しているちょっとしっかりしてて、ちょっと価格が高いもの。
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◆IWAKI
素材・材質:本体/耐熱ガラス、フタ/ポリカーボネート
耐熱温度差120度
原産国:タイ又は中国
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ガラスは耐熱温度差で決まる
店で売っているジャム瓶などはソーダガラスとして取り扱えばいいのですが、購入の場合はに耐熱かそうでないかわからない場合は、メーカーの耐熱温度差をチェックしてください。
ソーダガラスはちょっと安価で(一概には言えない。しゃれたデザインとか大きいものとか、かわいくない価格がついてるものもあるから)、耐熱ガラスはやや価格が高めです。
ソーダガラスは耐熱温度差80℃で、耐熱ガラスはたいてい120℃。
この温度差が割れるか割れないかにかかっています。
耐熱温度差が80℃のソーダガラスの場合
もし気温が24℃でガラス容器の表面温度が27℃だとします。その場合は熱湯(100℃)をかけても割れません。100℃-24℃は80℃を超えないから。
これが耐熱温度差です。冷蔵庫内のガラス容器が8℃。これに熱湯かけると絶対に割れます。温度差が92℃です。
耐熱温度差が120℃の耐熱ガラスの場合
耐熱温度差が120度もあるガラスは、冷蔵庫の瓶に熱湯かけても100℃-8℃は92℃なので割れないはずです。
雑誌の言うとおりに「ガラスに熱湯をかけて殺菌する」のはあぶなっかしいのです。
ではどうやって殺菌するのでしょうか。
ガラス容器の殺菌の方法
どんなガラスでも割れないようにするには耐熱温度差を意識すればいいのです。
水を入れた鍋にガラス容器を入れて5分から10分沸騰させます。5分で十分というメーカーもありますが、そこは臨機応変に。沸騰するとガタガタと容器がぶつかるので、鍋底にふきんでも広げておくといいでしょう。
取り出して乾かすと完全に殺菌されています。
急激な温度の変化を避けることでガラスの割れを防ぐことができ、さらに完全な殺菌ができます。
夏に麦茶を入れる時は、冷蔵庫から出したばかりのピッチャーに熱い麦茶いれるのは危険です。
耐熱ガラスを買うか、いったん冷めるのをまってから入れることにしましょう。