フライパンの予熱と空焚きの違い

フライパンの予熱と空焚きの違い

よく、フッソ加工のフライパンは「空焚き禁止」などと言います。でも不思議に思いませんか?
予熱って空焚きって同じじゃない?って

予熱と空焚きはわかりにくいのですが、実は違います。

予熱は調理をするために適温(だいたい150~190℃程度)に達するまで温めることをいい、
空焚きは、それ以上の時間、もっと高温になるまで熱する(あるいはつけっぱなしにして放置する)ことをいいます。

つまり、予熱をちょうど適温でとめて、ってことなんですよ。火をつけっぱなしにして放置しないでねと。

フッソ加工フライパンの空焚きが悪い理由

フッソ加工フライパン(テフロン加工)のコーティングはPTFEという物質が主です。
このPTFEの使用上限温度は 260℃と決まっています。これは高温でフッソ加工が劣化するという理由に加え、350℃を過ぎたあたりから、熱分解が始まり有毒ガスが発生するというリスクもあるからです。過去には狭く閉ざされた部屋で小鳥が死んだり、子供が呼吸困難になる報告もでておりフッソ加工のリスクが問題視されているひとつの原因です。

新しいタイプ(ここ10年ほどはすべて)の備え付けのガスコンロには250℃くらいになると自動消火する過熱防止センサーがついていて、このおかげで有毒ガスの危険性はずいぶん避けられるようになりました。が、急激な温度変化でフッソ加工が劣化が早くなるというのは変わりません。

フッソ加工は260℃以上の高温になるといっぺんに劣化するだけでなく、急激な温度変化を繰り返すと劣化が早まるという厄介な欠点もありますので、予熱には十分にきをつけたほうがいいのです。

何秒で適温に達するのがよいか?

ある大学のデータで、7つのフライパンをテストしました。
それぞれを中火にかけて、何秒で200℃に達するかを比べるものです。
一番早く達したのは、24秒。遅いのは172秒でした。
ほぼ3分かかるものもあったというわけです。

もちろん、早く達したのは軽くて薄いフライパン(安価)
172秒は写真のWOLLにような多層型の厚型フライパンでした。

薄いフライパンは適温の180℃をあっというまに超えていき、100秒には300℃近い温度まであがるものもありました。
温度変化が激しく劣化が早いだけでなく、安全装置がない場合はいっぺんに劣化、その先に有毒ガスのリスクもあります。

すこし厚手のフライパンは150秒~170秒ほどかかるものが多く、つまり2分~3分も予熱に要することになります。ちょっと面倒ですが、そのほうが蓄熱性も高く、素材に熱が通りやすく、フッソ加工の劣化のリスクや有毒ガスのリスクも避けられるということになります。

薄くて軽いフライパンはフッソ加工がすぐに劣化する

このことはどんなフライパンメーカーもよくわかっているので、軽いフライパンにはだいたい上等なフッソ加工コーティングを施していません。施したとしてもすぐに悪くなる可能性が高いのでもったいないのです。

いまもっているフライパンの特性を知ろう

お手持ちのフライパンはどのくらいの重さですか?
軽いなら、すこし火を弱めて予熱したほうがフライパンのためにはよさそうです。

重いフライパンなら時間がかかっても中火で2~3分あたためるようにしてください。

温める前に油を薄く塗ると温度の上昇をすこしだけ抑えて、コーティングを守ることもできますよ。