木曽さわらの良さ
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料理研究家(97)の桧山タミ先生の台所には70年近く使い続けたすし桶があります。これを今度の展覧会で紹介するつもりです。先生が「これは木曽さわらよ」と言われていたので、確認のため山一(長野で木曽ひのきなどを使った製品を作る会社)の社長に問い合わせました。(なお写真は先生のものではありません)
そうすると、さすがな返信。
以下社長から_↓
画像の飯台はまぎれもなく「木曽産のさわら材」で作られたものです。
底板の色と木目で「まちがいない」と判断しました。
椹(さわら)は岩手県花巻市が北限で熊本県周辺が南限とされています。
その中で木曽産と秩父産だけがいただいた画像のように赤味を帯びているのです。
それ以外の地域から算出される椹は「ヒノキ科ヒノキ属」に分類化されるように
「ひのきと区別がつかない色」なのです。
また、いただいた画像の飯台の底板の木目のように「樹齢250年を超える緻密な木目材」は
日本の産地の中で信州木曽産しかありません。
したがって、画像の飯台は「木曽椹」がその素材になっていると判断できます。
以上
さすが社長。
さわらは昔から桶に向いているとされ、ひのきから光沢と香りを抜いたような材質と言われます。
日本の針葉樹の中では最も軽い木材で、吸湿、放湿性がよく、水分による変形が少ないことから「桶」に向いているとされてきました。
古くからすし桶、風呂おけ、下地材、計量器、張り板にも、さわらが使われるのはそういった理由です。
木曽のさわらは、どうしてこのような高樹齢の木材があるのか。
それは江戸の初期に、木曽の木材の伐採禁止のおふれがでたから。
当時、城を建てるにあたり多くの木材が必要となり、良質な木材の産地であった木曽の木々が使用されていました。大量の木材が必要となったため、木曽地方の豊かな森林が荒廃していくことになりかねなくなり、その頃、木曽を領地としていた尾張藩が、貴重な木材を守るために伐採を禁止したらしいのです。
ありがとう。尾張藩!
そんなわけで、木曽さわらはいいよねって話でした。
私は秋田杉のすし桶も持っています。笑)悪くないです。秋田杉も100年以上です。