ほんとうの品格とは

「品格」という言葉が近年よく使われています。

2006年に「国家の品格」という本が出ました。藤原正彦先生がお書きになった新潮新書で、ベストセラーとなり、「品格」が流行語の候補にもなったんじゃなかったかしら。

「ハケンの品格」のドラマはみていませんが、「女性の品格」「男の品格」あたりは一応読みました。

以降、「親の品格」とか「ヤマダ電機の品格」「英語の品格」などなど300冊近くの品格本が出版。「品格のある勇気」まででてくると、もはや内容というより、流行り言葉のドッキングです。

日本人はなぜそんなに品格を求めるんでしょう。
あるべき姿になりたいと思っているか、あるいは、自分がきちんとできているかを確認したいとか安心したいとかなのでしょうか。

わからないでもありません。よき人になりたい、そうみせたい、というのは誰でも同じです。

 

ところで、私がその人を見るとき、品格があるとか無いとかつい思ってしまう瞬間があります。

言葉遣いが上手とか下手とかではありません。

食べ方が上手とか下手でもありません。

「女性の品格」で書いたあったように「品格のある女性は花を飾る」みたいな見せかけでどうにでもなるようなことでもありません。

それは、自分より立場の弱い人に接するときの態度です。

百貨店で高級なお洋服を着た女性が店員さんに高慢な態度をとるとか、タクシーの運転手さんに返事も返さないで偉そうな態度をするとか、偶然目にすると、ほんとに「品格がないな」って思います。

私のお店でもごくごくまれにですけど、「この商品ないんか!せっかくきたのに」「私、白がいいって言ってるでしょ!」とか、言われます。

ただのご機嫌斜めならよいのですが、こういう人は逆の立場ではペコペコしてるんだろうな、かわいそうだな、やれやれと思っています。

「私は大丈夫。」そう思ってる方がほとんどしょうが、果たして会社でのあなたはどうですか。
部下に対して、お掃除の方や取引先に対して。

そもそも、人間はどっちが偉いとかないでしょう。
仕事ができるできないは仕事だけの問題。歳が上か下かは目上の人を敬うという問題。
お金があるかないかなんて品格とは一切関係ありません。

みんな平等。みんな同じです。

品格のある人はそういうのがわかってる人だと思います。