銅鍋の汚れを取る方法
銅鍋は変色します
まず、銅鍋は必ず変色すると考えてください。変色の種類は3つ。
だんだん金色が茶色くなることと(だんだん黒っぽくなる)、火があたった部分が黒くなること、それと湿気が付着して緑色の緑青とされるものがつくことの3つです。
①緑青はでないほうがいいので、できるだけ湿気のないところに保管したり、乾かす時によく水分を飛ばす工夫が必要です。
②火があたったところが黒くなったり、特に底面が炎の跡が付いたりする場合もあります。これは炎によって温度が高くなり銅に酸化被膜ができてる状態です。湿気が付きにくい状態なので、これも良さといえば良さなのですが、気になる方は落とせます。
③経年劣化により茶色くなったり、繰り返しガスコンロにかけることでススけてきたりする場合もあります。
どれもすぐに磨く必要はないのですが、時間があるときに磨いていただくと比較的きれいに保てます。
ちょうど銅を洗うときに、お客様からメッセージをいただき、数年ぶりに全くケアしていなかった銅鍋を磨いてあげることにしました。
普段の洗い方は、銅磨きで軽く磨くか、塩と酢や梅干しの紫蘇などが余っていればそれで磨けば光ります。
銅磨きを付けてこする
数年間ほったらかしの銅鍋にお湯をかけて温めます。お湯を沸騰させると効果的ですがやけどしないように手袋をつけてください。
銅磨き(今回はツインクルというもの)を付属のスポンジにつけて拭きます。ツインクル購入
ススけてないところだけは銅本来の色が戻ります。
最初に銅鍋使うとどうしても炎のあとがこんな風に残るのですが、、、
これくらいなら銅磨きのツインクルだけですぐに元に戻ります。塩と酢でも十分でしょう。
黒っぽいスス部分が取れない場合は次をご覧ください。
研磨付き不織布で磨く
実は、銅のススを取る方法は当時どんなネットにも情報がなかったのです。ところがある日、銅の内側の錫張替を職人さんにお願いすると、サービスで外側もピカピカに磨いて返してくれました。どうやって磨いているか聞いてみたら、電動グラインダーに研磨付き不織布をつけて磨いているとのこと。手動ですると多少時間がかかるし、少し小さな傷がつきますが、この方法が一番良いと思っています。
私が使っているのはこちらです。
スコッチ・ブライト不織布表面処理剤パット#800工業用パッド。キチパラでも売っています。その職人が使っていたものです。これに銅磨きをつけて鍋をできるだけ同じ方向で磨きます。銅磨き不織布購入
数年間手をつけていないと数分ではとれません。逆に今日ついたものはすぐ取れますけどね。
どうしても取れない角のあたりなどはこれを使うときもあります。
貝印のサビとりゴムです。傷がつきやすいので気を付けて必要なところだけちょっと削ってください。
20分ほど磨くと、こんな感じ。
数日経って、また同じように磨くとさらにきれいになります。
月に1度は磨くとか、半年に1度は磨くとか、銅磨き回数を決めてもいいですね。
コーティングしてあるものに気を付ける
銅製品の中には変色しないようにラッカーなどのコーティング剤を塗ったものがあります。そのような鍋をこの方法で磨くと無残な色になるのでお気を付けください。