フライパンは何秒で適温に?

なぜフライパンはすぐに劣化するの?

フッソ加工のフライパンが劣化する原因はいくつかありますが、その中でも大きな理由を占めるのは「高温使用」です。なんと260℃に達すると一回でも劣化がグーンと進みます。300℃になるともうノンスティック加工は終わったと思っていいでしょう。
意外と使い方が難しいというのがフッソ加工なのです。なので、フッソ加工に合わせて鉄も買っておきましょうよというのがわたしの考え。鉄は温度を気にしなくてよいですのでね。

余熱が適温に達するまでの時間

フライパンが200℃に達するまでにはどれくらい時間がかかるものでしょうか。

もちろん、素材や厚みで違うので何とも答えられないわけですが、世に出ている大多数のフライパンでその余熱到達の時間を図ってテストした団体があります。どんな団体でしょう?

 

こたえは、消防局。

そう。火事対策です。

そのテスト結果をご紹介します。

200℃に達するまでの時間。空焚きで24秒~172秒、大匙1の油を入れて33秒~171秒。フライパンで5~7倍の時間の違いがあったと。

そりゃそうでしょう。空焚きなら

一番早く温度があがったのがチタン(重さ374g)で24秒。
鉄の薄いフライパン(917g)も早くて、50秒。
フッソ加工アルミ基板の軽いフライパン(720g)は40秒。
フッソ加工アルミ合金(磁性体溶射加工:IH)のフライパン(1028g)は170秒。

消防局として「適温に達する時間は意外と早いので気を付けて」というアナウンスですね。

適温は200℃でなく170℃~180℃が一般的なので、これよりさらに早くと考えると、
薄い一般的なエコノミータイプのフライパンなら30秒。
チタンならもう15秒、
薄い鉄なら40秒といったところです。
これを超えると火事になるよというだけでなく、フッソ加工は劣化しますので道具屋としてもアナウンスしたいところです。せめてオイルを塗ってからコンロを付けるというも手かもしれません。

ひとつだけ170秒というのがありますが、これはIH用のちょっと重たいもの。多層になっているので熱の伝わりが遅いのです。その分フッソ加工は悪くなりにくく、温度を保つこともできます。

上記はガスの場合でして、IHで使うとすぐに温度が上がるのでIH使用の方は中火以下であげてください。