東山彰良講演会がおもしろ過ぎたこと
講演会が最高
先週の土曜日、お店を抜け出して東山彰良さんの講演会に行ってきました。東山さんは台湾生まれ福岡在住の作家。ちょうど又吉さんが芥川賞を受賞したときの直木賞なので意外と知られたのではないかと思います。
講演会は控えめに言っても、こんな面白いと思わなかった!笑)
失礼な物言いの言い訳をすると、彼は幼馴染の夫であり作家になる以前から知っているので、いまや大先生とはいえ、「こんな2時間ものお話し大丈夫かな」とちょっとした身内感があったから。
講演会のお話は、作家になったきっかけ、作品への取り組み方、自身のルーツ、ネコのはなしなど、笑わせたり、頷かせたり、あっという間の2時間でした。いや、ほんと面白かった。
東山彰良 (ひがしやま・あきら)さんプロリール
1968年台湾生まれ。福岡市在住。2002年に第1回「このミステリーがすごい!」大賞銀賞・読者賞を受賞し、翌年『逃亡作法 TURD ON THE RUN』でデビュー。『路傍』で第11回大藪春彦賞、『流』で第153回直木三十五賞、『罪の終わり』で第11回中央公論文芸賞、『僕が殺した人と僕を殺した人』で織田作之助賞、読売文学賞、渡辺淳一文学賞を受賞。そのほか『どの口が愛を語るんだ』『怪物』など。
小説は役に立たないもの?
最近は小説よりライフスタイルや自己啓発本がよく売れているそうです。そこには「こうしたらいいよ」という答えがあり、直接的に役に立つと思われるからでしょう。
彼はこういいます。
「役に立たないものの中に大切なものがあると思う。小説なんて無駄かもしれないけれど、小説を読む時間って贅沢な時間。小説を選ぶというのは非日常を引き寄せるということだと思う。」
「小説を読むには理由や目的がない。役にたてようと思わない。それが一番いい。」
そうなのです。ハウツー本がよく売れるっていうけど、それは目的をもって読んでいます。とても現実的。
そこから何か学びたいと思うわけです。
小説ってどうでしょう。主人公や登場人物の人生に共感したり、どうなるかわからないストーリーにハラハラしたり、ときには祈るような気持ちになったり。
そして読後は、それぞれの思いが違う。受け取り方が違うのが小説のいいところ。
精神面を豊かにするものって、役にたてようと前のめりにならないことにある。確かにそんな気がします。
10月に発売したエッセイ「turn turn turn」
先日、その幼馴染から「turn turn turn」(東山彰良著)が届きました。ちょうどよかった。この本は書肆侃侃房 という福岡の出版社が販売したもので、地元の福岡の本屋に行くも入荷していないところが多く、そろそろアマゾンに頼るしかないかなと思っていたのです。
これがまためちゃくちゃおもしろい。
作家の考えることはなぜこんなにおもしろいのか。
作家だからこんな視点になるのか、書くのが上手いのか、彼特有なのか、(そのすべてだろうけれど)
羨ましいほどの表現力に引き込まれ、とにかく一気に読んでしまいました。
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