山菜、タケノコのアク抜き

春に近づくと山菜やタケノコを食べるのが楽しみになります。でも、なかなかアク抜きの仕方がわからないめんどくさいということで、避けてしまっている方も多いのではないでしょうか。私も若い時はそうでした。母のやっていた作業をみてなかったのでさっぱりわからず。あとから料理の先生に学んだり本で読んだりして覚えました。

春にアクが野菜あるものがでまわるのは自然の摂理として理にかなっています。私たちの冬のあいだに蓄積した老廃物を、山菜などの苦みが取り除く役目があるのです。そうなると「じゃあ完全にアクを抜かないほうがいいのでは?」と思いますが、それは違います。アクを抜いたあと苦みが残ります。アクは「体によくない」とされる報告もあり、私たちは「アクをとって適度な苦みをいただく」というのがよいようです。うまく抜けないとえぐ味とか渋みが残り不快に感じます。

アク抜き方法はたくさんありますが、今回は旭屋出版の「和食調理のコツ辞典」をベースにします。

ワラビとゼンマイのアク抜きは木灰と重曹

保温性のある容器に熱湯をいれ、ワラビをいれて木灰(草木を焼いてつくった灰)を全体にふりかけて、また熱湯をワラビがかくれるように注ぎます。
ワラビが浮き上がらないように重しをして、お湯がさめるままそのままおいておきます。

ワラビについて灰汁をきれいに水でおとし、さらに重曹と塩を加えた熱湯でゆでます。重曹はお湯の0.2%、塩は1.5%。重曹入れすぎは柔らかくなりすぎるので子ちょっと少なめが無難です。

あとは水を変えて冷蔵庫で保管します。水は毎日変えたほうがいいです。使わないときは冷凍ですね。

木灰はお店でこの時期、数百円で売ってますし、ネットでも買えますので準備しておくといいですね。
ちなみに料理家の桧山タミ先生のところには火鉢があったので常にあったので、もらって帰ったりしてました。笑)

アルミ鍋ではやらないほうがいいと思います。変色がめんどうなので。

 

タケノコはよく数名の知り合いの方からわけていただきます。「採りたてでアクを抜くのが一番おいしい」という友人は、山で鍋に湯を炊かして採ったものを全部アクを抜いてからもってきてくれるのでほんと助かります。皮付きのまま持ってきていただくのもめちゃくちゃうれしい反面、「あちゃ、今日も明日も飲み会。昼間仕事だし、タケノコを処理する時間ないわ」ってこともあったりします。そう、タケノコは待ってくれないのです。時間が経過するとえぐ味が増して固くなっていきます。なんとしてもおいしく食べたい私にとっては一刻も早く茹でないといけないのです!

タケノコは米ぬか、または米のとぎ汁で

皮を数枚はぎます。穂先を斜めに切り落とし、縦に切り込みをいれて火を通りやすくしておきます。
たっぷりの水、タケノコ、水の1割程度の米ぬかと鷹の爪をいれます。タケノコの大きさにもよりますが、とても小さいなら30分、大きいなら1時間や2時間かかるときもあります。水が足りないときは足し、浮き上がりそうなら落し蓋をして。竹串でさしてスッと入る程度までゆでます。そのまま火をとめて冷ましておきます。

冷めたら米ぬかを取り除き、皮をはぎます。根元が固いなら取り除き、いぼいぼも箸でこそぐか、包丁で剝くようにして取り除きます。あとは水をはった容器にいれて冷蔵庫へ。毎日水をかえてくださいね。

ヌカがない場合は、米とぎ汁でも代用できます。重曹でも可能ですが、わらびとちがってタケノコを重曹でゆでると、ちょっと風味が落ちます。新鮮なものはできればヌカを買っておきましょう。重曹なら短時間でできますので時間に気を付けてください。