ひとり暮らしに揃える台所道具

ひとり暮らしにあたって、とりあえず100円ショップでキッチングッズをそろえる方も多いでしょう。この「とりあえず」揃えてから買い替えないのが台所道具。「学生時代に買った100円のボウルがあるからもったいなくて買えないんです」って方が結構多く、それがどういいか悪いかもわからないし使えないわけじゃないから、買い替えない方も多いのです。

台所の道具をちょっとだけ考えて揃えると、毎回美味しくできるしストレスなく、気持ちよく使えます。料理が楽しくなるきっかけにもなります。もちろん長く使えます。時短にも一役買う道具もあります。
すべてではなくても、いくつかはちょっとだけ良い品をそろえてみませんか。例えば、包丁とまな板だけとか、鍋ひとつだけは良いものとか。

その道具はきっと20年後も活躍しているはずです。

揃えておきたいひとりぐらしの台所道具選びの第一歩を解説しましょう。

①包丁 

最初の1本は牛刀(先が尖った刃)が便利です。先が尖っていると切れ味が長く続く場合が多いです。例えばビクトリノックスシェフナイフなら半永久的に使えて5000円くらいです。学生さんや新社会人ならまずはこの1本から。長さは18cm程度でいいでしょう。鎌型の三徳包丁でもちろんかまいません。包丁の金額は、刃と取っ手のバランスやデザインでも違いますが、ほとんどの場合は「切れ味が長く持つかどうかにかなり比例している」と言っていいと思います。

キチパラのオリジナルなみじゅうがあれば、小回りがきき重宝します。ぜひお持ちください。

②まな板 

乾かすのに自信がない方は樹脂製。まな板は柔らかめのものを。表面を触ってみるとわかります。固いまな板や、薄いシート型のまな板は包丁がすぐに悪くなる原因になります。
包丁のためには木のまな板もオススメ。いちょうのまな板など小さいサイズもあり、比較的乾きやすいです。木のまな板の選び方、使い方はブログのまな板カテゴリーをご覧ください。樹脂は確かに便利で気楽なのですが私は音が嫌いなんです。コツコツというあの音。木の音は心が落ち着く音ですよ。

③鍋 

まず、16m程度の蓋付のステンレス多層片手鍋があると便利。20cmは大きすぎて小さいシンクなら不向き。14cmは小さすぎ。16cmあれば基本はこれですべてできます。煮物に便利ですし一人分の麺類なら作れます。カレーやシチューなら4人分程度です。ブランドでいうなら、ジオプロダクトの片手16cmがオススメです。茹でるときに水が少なくて済み時短で、汚れがつきにくい(ブログのステンレス鍋カテゴリーで詳しくご覧ください)

こだわりたい方は、ストウブやルクの鋳物琺瑯鍋18cmか20cmがひとつあると料理の腕がグーンとアップしそうです。鋳物や鉄の厚手の鍋は実は調理時間短縮にもなり、ほったらかしでも調理ができるスグレモノです。

④フライパン 

24cm程度なら万能ですが、ひとりぐらしには22cmのフッソ加工のフライパンのほうが使いやすく洗いやすいでしょう。シンクが狭いことを考えると22cmか20cmです。フライパンはシンクの大きさを確認してから購入した方がいいですね。

こだわりたいときは18cmか20cm直径の分厚い鉄のフライパンをひとつ買っておくと、お肉を美味しく焼けたり、野菜のグリル、スクランブルエッグなどもプロっぽくできます。分厚いというのは2cm以上です。

⑤キッチンハサミ

ハサミだけは御祝い買ってもらってでも良いものを買いましょう。袋を切ったり、野菜を切ったり、包丁代わりになることも多く、安物は数回で切れなくなります。1500円、あるいは2000円以上くらいのを思い切って買っておいてください。切れ味が長持ちします。私は3000円のを娘に持たせましたが3年経っても全くストレスないようです。

⑥おたま 

一本だけ買うなら、片口おたまがオススメ。盛り付けやすくこぼれません。お味噌汁の具を取る時もとても便利です。例えばアイザワの片口おたまなら2000円程度でも一生ものです。ただし、柄が長いお玉がじゃまなら大きい調理用のクッキングスプーンのようなものでも代用はでき汎用性があります。

⑦ヘラ 

まずは耐熱シリコンヘラでしょう。すぐに変色するシリコンは安価なものが多いようです。
料理好きの方は、ミニシリコンヘラやソフトスプーンというのも買っておくと便利です。これは混ぜたり、容器の中のものをすくったりするものです。

⑧フライ返し

ステンレスよりヘラ部分が樹脂のほうがフッソ加工を傷つけず便利。鉄のフライパンの場合はステンレスでもいいと思います。フライパンの大きさによって、あまり幅広でないほうが便利です。炒め物にはシリコンヘラがあるのでたまにしか出番はありません。

⑨トング 

これは必要です。パスタ、サラダ、お肉を焼く時など、キッチンでもテーブルでも使えます。ロッキングトングは収納しやすいです。茹でたものを挟んであげたりもできます。

⑩味噌こし 

1度購入すると買いかえないのが味噌漉し。ステンレスの良いものを。だしを漉したりするにも使います。私はアイザワのがオススメ。1600円です。味噌漉しは学生時代に買ったのをずっと使っているって多いですよ。
ただ、

補足:ミソこしを買わずに茶漉しをなんにでも使う学生さんもいるみたいでびっくりです。味噌を漉さない人も多いので、お茶漉しや粉ふるい、あわせて味噌漉しすべてを茶漉し1本で、というのもありでしょうか。(ちゃんと味噌漉し使ってと言いたいところですけど。笑)

⑪おろし金

学生さんでほとんど使わないなら不要ですが、大根だけでなく薬味おろしなどにも使うので、本当はもっておいたほうがいいです。100円ショップで買うくらいなら買わないか、ひとまずちょっと良い陶磁器の薬味おろしの小さいので代用するくらいでも。もとしげのおろしなら880円ですが、あとあとまで使えます。
私のお薦めの大根おろしは2000円ですが耐久性、効率が全く違います。でも学生さんはほとんど使わない可能性もありますね。

⑫ボウル・ザル

新婚さんの新生活なら大中小の3サイズがあれば使い勝手がいいですが、一人暮らしならせめて中サイズ。できればもうひとつ小サイズが欲しいところ。ザルは中サイズに合うものを。
いいものを買うと20cmくらいで1500~2000円くらいかかります。とはいえ、安いものでも性能が変わるわけではないので、ひとまず買えるものでOK。ただしプラスチックは臭いが取れず洗うのに手間がになるのでやめましょう。

⑬ケトル 

電気ケトルかコンロ用のケトルかのどちらかですが、コンロ用は厚めのものを買うと少し保温が可能です。1L用か1.5L用で十分です。一人暮らしでほとんど家にいないならコンロ用のケトルでよいでしょうし、コンロの数が少ないなら電気ケトルってとこでしょうか。

⑭スライサー・ピーラー

500円程度でも良いスライサーがあります。さすがに100円のはやめておきましょう。刃がすぐに悪くなるだけです。使いやすいのをひとつもっておくと、野菜炒めなども簡単に感じますし、包丁の出番も少なくてすみます。ピーラーも500円以上のを買っておきましょう。頻繁に使います。

⑮炊飯器 

一人暮らしならとりあえず1合炊きをと思うでしょうが、1合炊きで美味しく炊けるのはなかなか無く小さすぎて後から不要になります。諦めてひとまずまぁまぁな炊飯器で我慢するかです。3合炊きでIH炊飯、土鍋釜、厚釜など、少しは機能が良いものを買ってください。1合のごはんなら、厚手の鍋でも簡単に炊けます。ただし予約ができませんから一人暮らしには不便ですよね。自宅で仕事の方はぜひ土鍋を。

そのほか、菜箸・軽量スプーンと計量カップ・泡立て器(ミニでも)スケール・タイマー・調味料入れ・しゃもじ、布巾、台拭きなども必要です。このあたりはひとまず安いものを買いそろえてもいいでしょう。