木のせいろの使い方の基本、ちょっとした注意点

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木のせいろを探しにご来店される方がとても多いです。

もともとは自分と家族の健康を考えて使いはじめた木のせいろですが、娘が小さい時にせいろを使い始めてほんとに良かったと思います。木のせいろによって、忙しい私でも簡単においしく料理が作れたし、本来の野菜の味を覚えさせることができました。

油を使わずに料理が出来て、茹でるより栄養価が残りますし、季節の美味しい野菜をたくさん蒸すことで、お肉よりたくさん食べることもできます。

そして「木」という自然素材が身近にあるのがいいと思っています。
台所に木の素材があると、使ってるほうも、おそらく食べるほうも豊かな気分になる気がします。

せいろの基本的な使い方

一方で、自然素材だからでしょうが、「使いこなせるかしら?」とご心配のお客様も多いです。

使い始めや洗い方を簡単にご説明しておきますね。

・壊れないように
・かびないように

長く上手に使うための手順です。

○まず洗って水に浸ける(10~30分)

○よく拭いて、乾かす
(しっかりよく拭く)

○必要に応じて空焚きする
(何も入れずに10分程度蒸す)

○毎回使用する前に軽く水でぬらしてから使う
(使い始め数回は10分以内くらいで使う)

〇使い終わったら早めに洗う
(汚れてないなら洗わないで乾かすのを推奨)

○外なら陰干し、中なら通気のあるところで乾燥
(乾きにくそうな環境なら、よく拭いてから乾かす)

〇完全に乾かしてから収納
(ビニールなどにいれっぱなしにせず、湿気のない場所で)

木のせいろ、ちょっとした注意点

使い始めの水に浸ける時間は大きさによっても素材によっても違います。杉せいろは長く水につけるのは向いてないし、桧せいろはしっかり何時間もつけましょうという方もいます。焦げを防ぎ、木の収縮を調整するためです。
小さいもので5~10分、大きいサイズで30分くらい浸ければよいと思います。

使う前は毎回濡らします。焦げにくなり、変形をふせぐためです。使い始めは10分程度の蒸しを何度かやってみてください。最初から長く蒸すと変形しやすいです。

洗う時は、基本的には洗剤を使いません。油汚れが気になって洗剤を使う時は、薄めて使い、ぬるま湯でタワシでしっかり落としてください。洗剤が気になるときは「から蒸し」をすると、完全に洗剤がとびます。

浸け洗いをすると乾きにくくかびやすいですのでなさらないでください。

洗ったらしっかり水気を拭いてから、風通しのいいところで陰干しします。

直射日光では、季節によっては変形してしまうこともあるので、夏はもちろん、天気のよい冬などは長時間は避けたほうがいいと思います。

室内で干す時は、空気がよどまず流れるところ、ドアのところや、外からの風が入るところなどが最も乾きやすいと思います。水気をしっかり拭くことが大切です。空気がよどみやすい壁側に立てかけたりすると、たっぷり芯まで濡れたせいろはカビの原因になります。せめてよく拭いて、左右から空気が流れそうなところで湿気のないところに立ててください。リビングなどはむしろ子供たちが動いたりするので乾きやすいです。

細かいことですが、乾かす際、途中でせいろを上下ひっくり返しすと、下の部分に水気がたまって黒ずむのを防げます。

木のザルの上で乾かすと、接点の水分を吸収してくれますし、セイロを浮かすように干すとさらに効果的です。

完全に乾かずに3日以上使うとせいろがカビていることがあります。乾きにくい季節に室内で干す場合は、せいろの内側に軽くドライヤーなどをあてて渇きを促進してもいいでしょう。(急激にドライヤーで乾かすと割れることもあります。あまり近づけすぎないように)暖房の近くに長時間おいたりすると、急激な変化で変形したり壊れたりしますので気をつけてください。

昔は壊れたりかびたりしないように、せいろを複数使って休ませながら使うという考えが一般的でした。毎日使う方は、2個以上もっておくほうが無難です。

長時間使わない時は、湿気が少ない場所に置くか、棚に収納する時は新聞紙でくるんでおくといいでしょう。セイロとセイロの間にも新聞紙を挟んでおくと安心です。ビニール袋にいれてしまうと逆にカビやすくなります。