すり鉢は型押しより手作業の櫛目を

すり鉢をもつ方が少なくなったなというのは、私がお店を始めたころから感じていたこと。すり鉢はすごく優れた道具なのに最初から持たないというのがもったいないなって思います。

「フードプロセッサーがあるから要らない」というかたには、やはりすり鉢ですると粘りがあり、ふわっと空気が入り、金気に触れないので香りが高くなるということをお伝えしています。フープロでいいものと、やはりすり鉢ですったほうがいいものがあります。

ただ、そのすり鉢も、使いにくいものを最初に買ってしまうと、なかなか効果が分かりにくく、スピードが遅いという点があります。

もし、まだこれから買うという方がいらしたら、まずは櫛目をチェックしてほしいのです。

型押しより手作業

すり鉢には櫛目がありますが、それを入れるには型押しか手作業での工程になります。

いわゆるすり鉢を作っている窯元さんなどは、焼く前にギザギザな櫛のような道具で丁寧に手作業で櫛目を入れていきますが、型押しは型があればどんどん作れるので大量生産が可能です。

型押しの櫛目は段差が少なく見た目はきれいなのですが、溝が丸いために擦りにくく時間がかかります。一方で、手作業はその職人の技術によるところが多いです。多くのすり鉢専門の窯元は、櫛目の先端を鋭く尖らせて作ります。使ったらわかりますが、手作業のほうが、すったときのスピードが速く、結局は作業の時短になります。

型押しと手作業の見た目の違い

型押しは、真ん中のくぼみに向けて一直線に櫛目があり、手作業は櫛目の最後が四角になります。
このような櫛目の入り方は手作業の印です。

あとは実際に触ってみて、先が少し尖っているかを確認するといいです。

手作業でも四角の櫛目がないものもあります。(すり鉢専門の窯元のものにはないとおもいますが)