ジオプロダクトの驚異的なコスパの良さ
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ジオプロダクトはやはり良い鍋
今までステンレス鍋だけでも、柳宗理、アイザワ、フィスラー、ビタクラフト、ラゴスティーナ、クリステル、海外製で購入したクイジナートと、とにかくありとあらゆる鍋を使ってきました。国内外合わせると30社ほど。
ひとつひとつよしあしを語ると話が長くなりますが、言えることは「価格が高いものがいいわけではない」ということ。とはいえ、低価格帯のものはそれなりともいえます。
そんな中で、価格、デザイン、使い勝手のバランスで、もっとも気に入っているのが、
宮崎製作所の「ジオ・プロダクト」。
宮崎製作所というのはステンレス生産ではおなじみの新潟県燕市の会社で、このジオ以外にもオブジェ、十特鍋などのいくつかの鍋のブランドを作っています。この会社のほかのブランドも試してはみましたが、一生持つなら、このジオ・プロダクトが一番でしょう。テレビの料理番組でも多くの料理研究家が使っているようで、おそらくステンレス鍋ではひとり勝ちです。モデルチャンジもせず、長い間ずっと同じ鍋を売り続けるというのはすごいことだなと思います。
行平鍋は使い勝手ナンバーワン
私が特に気に入ってよく使っているのが、行平鍋。私に限らず、私の母も、叔母も、スタッフも、みんな一度使ったらこれにかわるものがないと口をそろえていいます。私は3サイズ全部を毎日フルに活用中。
ジオの行平鍋の一番の良さは、側面の汚れが付きにくいく汚れが取れやすいということ。
例えば、醤油入りの出汁などを作る。スープを作る。煮物を作る。
そんな時に鍋肌がジューッと音を立てて汚れる時がありますね。あれが極力少ないのです。だから汚れにくい。
なぜジオは汚れないか?
理由は意外と単純です。側面も多層(つまり全面多層)になっていて、ステンレスでアルミを挟んでいるので、熱伝導が遅いステンレスの弱点をカバーしてアルミが熱を運んでくれるからなのです。そのアルミとステンレスの割合がよいので、さほど重くもない。保温性も保持しています。
多くのメーカーは多層鍋といっても底面しか多層でないものも多く(煮物で蓋をするならこれでもよい)、逆にちゃんと多層ではあるけれど、煮物の蓄熱性を優先して底が多層過ぎてるために重くなったりします。IH用は底だけ多層が断然多いようです。消費者が軽い鍋でないと買わないからです。
蓄熱性第一の多層鍋は、価格がおどろくほど高くなってしまうこともあります。ビタクラフトなどはそのいい例です。(ビタクラフトは私も使ってますが、とても良い鍋です。価格がちょっと高いだけで。)
だし汁や煮物、麺類くらいに使う鍋ならアルミの鍋ならどう?いう人もいるでしょうが、アルミは酸に弱かったり、煮崩れしやすかったりもします。アルミ嫌いも最近は多いですし。私もアルミ鍋は使いません。
熱伝導 VERY GOOD!
アルミを挟んでるので熱伝導がめちゃくちゃいい。煮物も弱火で十分熱が広がります。
コトコト煮るのが得意です。アルミ鍋やステンレスの安価な鍋に比べると断然美味しいと思います。
注ぎ口が便利
注ぎ口が付いていることもジオプロダクドの行平鍋の良さ。鍋から直接お椀に注げたりして、こぼれにくいです。
そのせいで、蓋をすると蒸気がもれるので、無水調理はできませんが、それでも注ぎ口があるほうが日々には便利です。
取手が全く熱くならない
取っ手の形状も抜群で、火から少し離れていて手元が熱くならず、フックにかけることもでき、長さもちょうどじゃまになりません。何時間も煮ても、熱くなったことがないから不思議。
重ねて収納
重ねて収納すると、一つの鍋ほどの小さく収納できます。これがほんと便利。なので3つもってても場所をとりません。重ねても傷にもなりません。
サイズはどうする?
毎朝お弁当作りには15cmの行平鍋が登場。下ごしらえに重宝します。
きんぴらも2~3人分ならこの大きさでオッケー。
まとめて出汁をとる時や麺類には21cmを使いフル活用しています。葉物ゆでもこれで。
1つしかもたないなら、真ん中の18cmもよいと思います。
価格はほかの海外ブランドに比べて、定価でも6000~9000円ほどと高すぎない。私のように20年以上快適に使えば十分です。ちなみに保証も15年です。壊れません。
とにかくコスパ的には最高です。
宮崎製作所に誰ひとり知り合いがいるわけでもありません。私はこの鍋が相当気に入っており、実は似たような形でもっと安く自社ブランド鍋を作れないかと企んでいたくらいです。でも止めました。この鍋で事足りているし。
いま鍋が使いにくいとか、そろそろアルミ卒業という方は、ぜひお試しを。
やっぱり、毎日台所に立つなら楽しくないと。だから、いい道具。ちょうどいい道具が大事。その用途にぴったりのちょうどいい道具をもつことが台所を楽しくさせてくれます。
ジオの片手鍋にはすばらしい時短の秘密が
ジオプロダクトの蓋付の片手鍋もはずせない理由があります。
行平鍋とおなじく、側面の汚れが付きにくく汚れが取れやすい上に、煮る、炒める、ゆでる、揚げる、焼く、などに加えて、蒸し茹でや、炊飯もできます。保温性もグーンとアップします。
蒸し茹では調理時間を短縮し、経済的で、栄養価を逃がさず、何より美味しくできます。
大匙2杯の水でブロッコリーが3分で茹でられるという便利な使い方です。
詳しくは次の「ジオプロダクトの蓋付き鍋がお得な理由」のブログで実験していますのでご覧ください。
ジオに買い替えたほうがいいの?
片手鍋のお問い合わせが多いので追記しますが、すでに良い鍋をお持ちの方は買い替える必要はありません。
ジオ以外にもこの蒸し茹でができる「ウオーターシール」効果のある鍋はたくさんあります。ビタクラフト、クリステルほか日本のフジノスやおそらくアムウエイの鍋などもそうだと思います。「無水鍋」と書いてあるものはほとんどがそうだと思います。
これから買うのであれば、蓋の密着度、ステンレスの構造などをご覧になってお買い求めください。
フィスラーなど側面が単層でも底にきっちり厚みがあるものは、蓄熱性が高く煮物などにとても向いています。こういう記事を書くと、そっちがいいと思いがちですが、いまあるものを大事に使って下さいね。