土鍋ごはんを美味しく炊くには?




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毎日土鍋でご飯を炊いているとちょっとしたことで「あ、失敗した!」とか「今日めちゃくちゃ美味しいやん!」という時があります。

特に、この新米の時期、ちゃんと条件をそろえて炊いたときのごはんは、自分が「天才か!」と思うほど。

まず、大前提として「土鍋によってクセが違う」ことは知っておかないといけません。私は実験もかねて、いくつかの違うご飯鍋で交互に炊いてますが、それぞれかなり違うんですよね。

ここからは私のご飯炊き体験からの秘訣をご紹介します。世の中にはご飯の炊き方本やエッセイを書いてある人もいて、私とはかなり意見が違うなと思うことも多々あります。またお米の種類、水などでもかなり違うので、決して正解はひとつではないかもしれないことをご考慮ください。

(わたしの)おいしく炊く3つの秘訣

できれば2合以上のお米を炊く

1合だとなかなか完璧に炊くのはできないんですよね。おいしくないというわけではありません。良いご飯鍋でもちょとだけコツが要る。2合なら1合に比べるとかなりうまくいきますが、できれば3合のほうが難なく成功しやすいのは確かです。

分厚いご飯用鍋で3合炊けば、初めてでも成功率はかなり高いです

それはなぜかというと、、、(ここは面倒な方は読み飛ばしてもいいです)

詳しく言うと、、、お米をおいしく炊く条件として、
①40℃~60℃を温度帯を比較的ゆっくり上昇させること
②沸騰までに10分ほどはかけること
③カニ穴がでるように炊くこと
④98℃以上を20分間キープすること
…..などがあります。

1合で炊くと、水が少ないため、
①の温度帯を調整するのは分厚い土鍋だとしてもちょっと難しい
②沸騰までの時間はとうてい10分はかからない
③おいしく炊ける印の「カニ穴」がでるためには、水分が残ったままで最後に急速に100℃の到達したまま沸騰し続ける時間が必要
④ごはんと水が少なく、鍋が小さいと温度が下がるのが早くなる
…..とこのようになります。

冷たい水で炊く、できれば冷たい水で洗う

お米は沸騰するまでの時間が長い方がより甘みがあっておいしくなります。

常温⇒100℃より、冷水⇒100℃のほうがずいぶん時間かせぎができるというのがひとつの理由です。

また、時間があるときは冷蔵庫で浸水するという方法もあります。

冷たい水ならゆっくり吸水させることになり、確かに粘りがよくて硬さが少なくなります。ただし冷たい水なら2時間ほどはいれておいたほうがうまくいきます。私は1合で炊く時は必ずこれをします。

ちなみに、わざわざ「新米」が美味しくなるというのは、冬になったらすでに寒いので、寒い地域は冷蔵庫より外が冷えるかもしれないからじゃないでしょうか、、、ね。

高温になったら一気にボコボコ沸騰させる

温度はゆっくりあげるのがいいと書きましたが、温度がいったん上昇して沸点に達したら、もうボコボコいうほど一旦沸騰させたほうがおいしくできます。よい土鍋は蓄熱性があるため、火加減をしなくても勝手にやってくれるわけですが、条件が合わない鍋や、お米の量が多い時などは高温になってからの温度がダラダラ上がるとおいしく炊けません。炊飯器でいうところの「おどり炊き」「カニ穴」がおいしい条件というのはそういうことです。カニ穴ができて水分がなくなったころからだんだん弱火にしていきながら高温を保つのが
「はじめちょろちょろちょろ、なかぱっぱ、赤子泣いても蓋取るな」の順番なのです。

「ゆっくり沸騰させて、沸騰しはじめたら一気に、最後は火を弱めながら蓋を開けずに高温キープして、そのあと蒸すまでいく」ということです。

良いごはん鍋はこの役割のほとんどを鍋が担ってくれます。
ですから、鍋選びもおいしく簡単に炊くには大切です。