IH用フッソ加工フライパンの不都合な真実

「将来IHに変えるかもしれないから、フライパンはIHとガス兼用がいいんですか?」
そう聞かれることがとても多いです。答えはその方それぞれで違います。

将来というのは少なくとも何年後?
フッソ加工だけで炒める、焼く、なんでもしますか?

フッソ加工フライパンは、IH用>ガス用 ではありません。
ではその区別をどう考えればいいのでしょうか。

フッソ加工のフライパンには、IH対応、IH非対応の2種類

IH対応は、その名の通りIHクッキングヒーターに使え、またガスコンロにも使えますというもの。通常IHで使えるものならガスでも使えます。

「磁性を帯びたフライパンなら使える」といいますが、簡単に言えば「磁石にくっつくもの(発熱体)でないと使えない」ということです。ステンレスなら18-0ステンレス(磁性帯びたステンレス)の素材にするか、鉄(磁性がある)をコーティングに混ぜたりする場合もあります。底に磁性があるコーティングを吹き付けるというのもあります。(吹付けるではなく素材そのものをそのような素材にすることもある)

IH非対応は、日本ではほぼガス専用フライパンの意味。アルミニウムだけだったり、ステンレスの中でも磁性をもたないステンレスを使う。

IH対応フライパンのほうが、ガス用より価格が高く、重い

IH用は、ガス用フライパンにプラスして磁性をもつ「発熱体」が必要となるので、その分は重くなるわけであり、仕方ありません。原価が上がるので価格も高くなります。

ガスで使うと決まっているのならわざわざIH用を買う必要はないでしょう。フッソ加工は1万円(だいたいです)以内のものならメーカー側は2年くらいで劣化するという場合が多いので、2年以内にIHに引っ越しがなさそうならガス用でもかまいません。

最近のIH対応フライパンの動き

最近、どこのメーカーも、できるだけ「IH対応」のフライパンに一本化しようとしているのが見え隠れしています。百貨店でも、一つのブランドで「対応・非対応」の2つを確保するのがイヤなのか、お客様に違いが説明できないからか、、最近は「IH対応」の一本化に傾いているようです。ようするに売りやすいものを売っているとしか思えない気がしますが、そういう流れなので仕方ないでしょう。
「IH対応のフライパンのほうが高級でかっこよく、最先端ですよ」、みたいな言い方をする販売員さんもいて、それはどうなのかなと思います。

まとめ

IHでなくガスコンロを使っている方は、IH対応を買う意味はありません。高すぎて重すぎます。それしかないならしかたないでしょう。ガスコンロの方はそのブランドにガス用があればそちらのほうがお得。

逆にIHの方がガスコンロのキッチンに引っ越した場合は、そのまま使い続けて問題はなく、改めて買い替える必要はありません。そのブランドに2種類あるのなら、絶対にIH非対応を買うべきといまの時点では考えます。

ただし、IH兼用はいわゆる高級フライパンも多く底厚のものも数多くでています。そのようなフライパンは蓄熱性があるので別の意味では有効です。

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