|
|
 |

■フランスはなぜ銅鍋が多いのか
日本では使われる頻度が少ない銅製の鍋やフライパン。なぜフランスの厨房では昔から使われているのでしょう。その答えは、フランス料理の伝統的レシピにあります。 フランスの比較的寒い地域では、伝統料理として煮込み料理がとても多いですね。フランス料理店は、その店の煮込み料理の良し悪しが店のランクを決めるとも言われます。 帝国ホテルのシェフのエッセイに、 「銅は熱の伝導率が高く、長時間煮込んだりする料理には絶大な威力を発揮する。」とあります。 このホテルでは、戦前に購入した銅鍋を今もなお使い続けているそうです。 伝統料理を守り、最高の仕上がりを追求すること、そして素材の中から熱を通すことによりお肉や野菜の形がくずれにくいこと、また火を止めてからも温度が下がりにくいことも、伝統的な煮込み料理に適している理由でしょう。 また、フランスでは、「ノルマンディー風」というレシピでも分かるように 「バター」がよく使われます。ノルマンディーのような寒い地域では、オリーブなどが育たない代わりに放牧に適していたのでバターが豊富で安かったのです。バターを焦がさずに適温で風味を出すにもやはり銅が最適です。 例えばこうです。 バターをソテーパンで温める。溶けてバターの泡がプツプツとなってくる。 この時点で火から離せば、銅のソテーパンであれば焦がすことも温度が冷めて風味が飛ぶこともありません。 アルミでだと温度がすぐに落ちますし、鉄だと温度が上がりすぎるのです。 お菓子作りの場合も銅が適しているレシピがあります。 ジャムボウル(鍋)は、コンフィチュールを作る際の熱伝導の良さ、素材の変色を防ぐのに良く。 銅製ボウルは、きめ細やかにメレンゲを泡立てる、温度を一定に保つのに適しています。 このように、フランスでは人々の知恵によって、素材を活かした料理を作る ために銅製の鍋やフライパンが必要だったのです。
2007年の夏に公開された映画「レミーの美味しいレストラン」では、この五ツ星レストランの厨房にある鍋のほとんどが銅鍋でした。
|